北海道熱供給公社(本社・札幌市東区)は、建設が進む北1西1地区再開発ビルの地下4階に整備する新たな地域熱供給施設を拠点に、札幌市役所本庁舎や将来的な再開発が想定される大通西1丁目といった周辺街区を熱導管で結ぶ計画だ。地域熱供給施設と熱導管などの整備には、総事業費23億7900万円を見込む。西2丁目地下歩道の天井裏に布設する熱導管は、2016年度の着工を目指している。
一連の整備は、15年度に創設された国の災害時業務継続地区整備緊急促進事業を受けて実施するもの。都市機能が集積し、エネルギーを高密度で消費する拠点地区を対象に、災害時の業務継続性確保を図ることを目的としている。
この整備計画は、13日にSTV北2条ビルで開かれた札幌市主催の札幌都心地域都市再生緊急整備協議会で示された。
ことし2月に着工した札幌創世1・1・1区北1西1地区市街地再開発事業の再開発ビルは地下5階地上28階、延べ13万1085m²の規模。この地下4階部分延べ約2000m²に、ガスエンジンコージェネレーションシステム(CGS)を活用した発電出力1400㌔㍗の自立・分散型エネルギー供給施設を整備し、再開発ビル内に温熱、冷熱、電力を供給する。
周辺街区には、同ビルと地下で直結する西2丁目地下歩道を通じ、熱導管で温熱、冷熱を供給。熱導管の延長は約100mで冷水、温水導管ともに送り用と戻り用の2本、計4本を整備する。
まずは市役所本庁舎と結び、将来的に再開発が想定されるNHK札幌放送局などがある大通西1丁目街区(敷地面積約1万1600m²)にも供給する予定だ。
今後のスケジュールは、国からの事業計画認定、補助金交付を経て、9月にも熱導管設備の実施設計を発注するとともに、地域熱供給施設整備に着工。施工業者は公社が選定する。
16年度は市役所側の受け入れ設備実施設計や、西2丁目地下歩道の熱導管や自衛電力電などの施設整備を2カ年で実施。市役所側では17年度から2年で、市が工事を進める計画だ。