旭川開建が発注した音威子府バイパス音威子府トンネルを施工する鹿島・荒井建設共同体は21日、現地で貫通式を開いた。関係者約170人が集まり、バイパス開通に向けた大きな節目を祝った。
音威子府村音威子府と中川町誉を結ぶ音威子府バイパス(延長19㎞)整備のうち、同トンネルは始点の音威子府から筬島をつなぐ延長2699mで、内空断面は76・4m²。2009年10月に着工し、16年3月の完成に向けて鋭意工事を進めている。
トンネルは約900mが脆弱(ぜいじゃく)な蛇紋岩層で占めていた。水を含むと粒子間の結合力が弱まり斜面崩落の危険性が高まるほか、硬軟入り交じる複雑な岩質に適宜対応し、手法を変えながら慎重に施工。掘削に5年余りを要した。
式典では、貫通点に張られた幕をスクリーンにして、重機で最後の掘削を終える様子を投影。映像に合わせて幕が取り除かれると、筬島方面からの自然光が孔内に差し込み、会場からは拍手が巻き起こった。このほか、掘削を担当した北新建設の作業員が担ぐみこしと、鏡開きで祝賀ムードを盛り上げた。
佐近勝音威子府村長は「感無量。北の大動脈の完成に一歩近づいた」と貫通に対する喜びを語り、鹿島の木下勲北海道支店長は「技術の総力を持ってこの日を迎えられた。地域に愛され、語り継がれるトンネルにしたい」と話し、地域住民の理解や協力に感謝した。