国土交通省がまとめた2015年度上半期(4―9月)の道内建設投資額は、前年度同期を2.2%下回る1兆2860億円にとどまった。第1四半期(4―6月)に7.8%減少したものの、第2四半期(7―9月)に1.7%増とわずかながら増加に転じた。13年度末以降の減少傾向に歯止めがかかった格好だが、公共投資の割合が高い本道にとっては、安倍政権誕生前の低い水準となっている。
国交省は、建築着工統計調査や建設工事受注動態統計調査を基に工事費を出来高ベースに換算。毎月、建設総合統計として公共と民間工事を合わせた額を都道府県別に推計している。
15年度上半期の道内建設投資額は第1四半期が5013億円、第2四半期が7847億円。第1四半期の減少幅(7.8%減)は全国9ブロックで最も大きかった。9月末時点の手持ち工事高は2.1%増の1兆4647億円だった。
東日本大震災からの復興が進む東北は第1、第2四半期ともに10%を超える伸び。上半期は10.6%増の3兆2560億円と、高い水準を維持している。
道内の建設投資額は、安倍政権の経済政策「アベノミクス」効果で13年度上半期に34.1%増の1兆4505億円と大幅に伸びたが、15年度上半期は前年の12年度上半期(1兆815億円)以来の低水準となった。
月別に見ると、4月が1611億円(前年同月比8.3%減)、5月が1530億円(10.3%減)、6月が1872億円(5.3%減)、7月が2178億円(5.5%減)、8月が2739億円(5.1%増)、9月が2930億円(4.4%増)。8月は14年3月以来17カ月ぶりに前年同月を上回った。
北海道と東北以外の15年度上半期建設投資額は関東7兆9883億円(前年度同期比5.3%増)、北陸1兆1849億円(0.5%増)、中部2兆6403億円(1.7%増)、近畿2兆9510億円(2.8%増)、中国1兆1564億円(2.4%減)、四国6307億円(3.6%増)、九州2兆3504億円(2.2%減)となっている。