社会資本整備審議会道路分科会の第10回北海道地方小委員会(委員長・田村亨北大大学院教授)は26日に札幌市内で開いた会合で、帯広・広尾自動車道忠類大樹IC―広尾町間の全区間を自動車専用道路で整備する方針を決めた。この区間の計画段階評価はこれで完了し、事業化に向けた環境が整ったことになる。
2015年8月の委員会で北海道開発局が示した、①全区間を自動車専用道路②自動車専用道路と一部現道改良③全区間を現道改良―の3案から、15年10、11月に実施した地域住民のアンケートや関係機関へのヒアリングの結果を基に、委員らが意見を交わして選定した。
結果をまとめた開発局は、高次医療施設へのアクセス向上、安全な走行環境など物流ルートの確保による産業支援、災害時などに信頼性の高い道路の3つの政策目標について、特に重視すべき・やや重視すべきとの回答がいずれも8割以上あったことを報告。この区間の整備を望む地域の声が高いことを説明した。
これを踏まえ、自専道の全区間別線案が最も政策目標を達成できると判断し、全委員が了承した。
北海道商工会議所連合会会頭の高向巌委員は、この区間の整備で十勝港と高規格幹線道路網が接続されることを念頭に「この道路の意味は大きい」と整備内容を評価した。
道への意見照会で高橋はるみ知事が、高速交通ネットワークの早期形成のため整備方針に同意する回答を文書で寄せ、早期の事業化を求めた。
事業化に向けては、同委員会と社整審それぞれの新規事業採択時評価を得る必要がある。