室蘭建管は、有珠山噴火災害に備えた洞爺公園洞爺線の新ルートで建設する延長約460mの仮称・東湖畔トンネル本体工事を、4月中旬にも公告する意向だ。入札は7月を予定し、3定道議会での請負承認を経て2カ年事業による着工を目指す。2016年度は、先行整備している滝之町伊達線でも1号橋の着工を計画。災害に強い地域づくりを支える2路線、計5・8㌔の19年度完成に向け進ちょくを図る。
洞爺公園洞爺線は洞爺湖畔沿いに壮瞥町と洞爺湖町を、滝之町伊達線は壮瞥町と伊達市を連絡するが、一部区間が有珠山噴火のハザードマップにおいて想定される火砕サージ(火山ガスが砂嵐のように押し寄せる現象)の到達予想範囲に含まれている。
2000年噴火では長期間、広範囲にわたり交通が規制され、住民生活や物流、観光に大きな影響を及ぼしたことを教訓に、同建管は2路線の整備を計画。噴火災害時の避難路を確保するほか、復旧・復興などにおける人流・物流のネットワーク強化を目的として、10年度に事業化した。
両路線とも火砕サージの到達予想範囲の外側を経由する迂回ルートを設定。洞爺公園洞爺線は壮瞥町内の滝之町から洞爺湖東湖畔に至る1・6㌔、滝之町伊達線は壮瞥町立香から伊達市志門気町まで4・2㌔のバイパスを新設し、壮瞥町道を介して両区間をつなぐルートを形成する。事業費は洞爺公園洞爺線が32億4000万円、滝之町伊達線が22億5000万円の合わせて54億9000万円を見込む。
区間中の構造物として、洞爺公園洞爺線では延長463mの仮称・東湖畔トンネル、滝之町伊達線では壮瞥側から橋長47mの1号橋、44mの2号橋、22mの3号橋のほか、5基のボックスカルバートを配置。トンネルなどの掘削土砂を、橋梁・ボックス間の盛り土に活用する。幅員は、トンネル部が車道5・5m、両側に0・5mの路肩と0・75mの監査歩廊、一般部が車道5・5m、両側に路肩1・25mの構成となる。
また、洞爺公園洞爺線が接続する453号でも約0・58㌔区間にわたる関連整備を、開発局に委託し実施する予定だ。
工事は滝之町伊達線から先行。14年度に立香地区でボックスカルバート2基、15年度も引き続き1基を完成させたほか、洞爺公園洞爺線でも一部取り付け部分の整備に取り掛かった。
16年度は、いよいよメーン構造物のトンネルに着工。17年度に本体完成、18年度に照明や防災設備設置、舗装を施し、前後区間を含め洞爺公園洞爺線の完了を、滝之町伊達線でも残る構造物や土工部の整備を進め、19年度の全線完成を目指す。1号橋については、設計を詰めている段階だ。