旭川開建が下川町内で進めるサンルダム本体工の定礎式が7日、現地で開かれた。工事を担当する大成建設・熊谷組・岩倉建設共同体など関係者をはじめ加藤剛士名寄市長や安斎保前下川町長ら約230人が出席し、2009年の本体着工凍結などこれまでの歩みを振り返りつつ、ダムの永久堅固と安泰を祈願した。
サンルダムは、洪水調節や水道用水、発電利用などの機能を併せ持つ多目的ダム。形式は、台形CSGで堤高46m、堤頂長350m、堤体積49万5000m³。サクラマスの遡上(そじょう)に配慮し、ダム湖を通過しないバイパス魚道を設けているのも特長だ。
1988年度に実施計画調査を始め、93年度から事業に着手。2009年度にダム本体着工、13年度の完成を予定していたが、民主党政権の方針で本体工事は凍結。その後に実施した事業検証の結果、継続が妥当と判断され、13年度から本体工事を再開した。15年9月にコンクリートを初打設した。
天塩川治水促進期成会の会長を勤める加藤名寄市長は「流域自治体が住民の総意をもってダムの必要性、早期完成を訴えてきた。多くの支援があったと思うと、感慨深い」とあいさつした。
礎石は黒の御影石で、谷一之下川町長が定礎の2文字を記した。法被姿の共同体関係者が力強い掛け声とともに礎石を担ぎ、堤体中央に運び込んだ。
発注者や施工者、来賓による定礎の儀が執り行われた後、下川小の児童8人がそれぞれの夢を書き込んだメモリアルストーンを礎石のそばに添えた。礎石を埋納するためアーティキュレートダンプでCSGを投入した。
式終了後、サンルダム建設継続に向け尽力した安斎前下川町長は「本当にいろいろとあった。長い念願がかない、歴代の町長たちの思いを実現できて本当にうれしく思う」と本紙の取材に答えた。