札幌市水道局は早ければ2019年度から、白川浄水場で新たな取水施設などの整備に入る考えだ。実施設計は18日にも一般競争公告する予定となっている。24年度の整備完了を目指す。
白川浄水場は第1―3の3つの浄水場で構成。耐震性能不足と経年劣化の対策として、段階的に改修していく。改修に当たっては浄水場単位で運転を停止する必要があり、機能が低下しないよう前もって新たな浄水場を整備する。
新浄水場整備に伴って新設する取水施設は、既存取水施設よりも標高が約10m高い藻岩ダムの調整池に新設する方針。これにより自然流下で水を取り込むことが可能となり、ポンプで水をくみ上げている既存取水施設よりもエネルギー消費量が減少する。試算では、年間約7000万円の電力料金削減につながる見込み。
藻岩ダムの調整池に設置するメインの取水口のほか、維持管理作業や事故災害時に備えて、さらに上流側に予備の取水口を設ける。
予備取水口からの水はシールド工による管を設けてダム側のメイン取水口付近に合流。シールドは内径2200㍉、延長750mで計画している。ダム側の取水口からは取水路で沈砂池へ導く。取水路は矩形(くけい)幅2500㍉、高さ2000㍉、延長630mとし、沈砂池は85×25mの池を2つ備える予定だ。
実施設計にはこれらのほか、道路の付け替えや護岸工、取水管理棟建設などの設計も含める。施工場所は南区砥山27から白川1814にかけて。
業務期間は300日間で、17年度内の完了を目指す。基本設計はNJSが担当した。
白川浄水場内の新浄水場建設は24年度完成を目指しており、取水施設なども同時期までに工事を終える考えだ。