日高自動車道の整備を推進している室蘭開建は2017年度、厚賀静内道路の仮称・厚賀IC―新冠IC間で新設する大狩部橋の上部に着工する。WTO対象の一般競争として第3四半期(10―12月)に入札する見通しで、工種はPSコンクリート、工期は23カ月、工事規模は7億4000万円以上15億円未満を想定している。
日高自動車道は、物流効率化、移動時間の短縮、救急医療体制構築などを目的として1988年度に事業化した。道央自動車道苫小牧東ICから分岐し、浦河町に至る計画延長120㌔のうち、日高門別ICまでの45・7㌔が供用済み。その先の門別厚賀道路14・2㌔、厚賀静内道路16・2㌔は同開建が整備を推進している。
厚賀静内道路のうち厚賀IC―新冠ICの間の構造物は、厚賀側から順に、橋長224mの新厚別川橋、大狩部トンネル延長2151m、橋長261mの大狩部橋、橋長555mの大節婦川橋、橋長335mの節婦川橋、橋長104mの稲荷川橋、橋長144mの神山川橋を計画。うち新厚別川橋は15年度に完成した。
施工中の橋梁について上下部型式を見ると、大狩部橋、節婦川橋とも5径間連続PCラーメン箱桁、逆T式橋台2基で、橋脚は全基とも大狩部橋が壁式で、節婦川橋は柱式となっている。
未着工橋梁で最長の大節婦川橋は7径間連続PC箱桁、逆T式橋台2基、柱式橋脚6基を計画。このほか稲荷川橋と神山川橋は2径間連続PCラーメン箱桁で、橋脚は稲荷川が壁式、神山川は柱式、橋台は稲荷川のA1が逆T式、A2がラーメン式、神山川は2基とも逆T式での整備を見込む。
区間内唯一のトンネルとなる大狩部トンネルは16年度に発注し、鹿島・宮坂建設工業共同体が税抜き87億6600万円で落札。工期は20年度までとなっている。
橋梁では完成した新厚別川橋のほか、14年度から大狩部橋と節婦川橋の下部施工を推進。これまでに大狩部橋のP3、P4、A1、節婦川橋のP2、P3が完成した。また大狩部橋のP1、P2は6日に開札し、税抜き2億6000万円でケイセイマサキ建設の落札が決まった。
18年度以降は、残る大狩部橋のA2、節婦川橋のA1、A2、P1、P4に加えて、未着工の大節婦川、稲荷川、神山川の各橋にも順次取り掛かる意向だ。