船出はしたものの

2017年09月07日 09時03分

 今はどうか分からないが、昔の少年なら一度はジュール・ヴェルヌの『十五少年漂流記』を読んで胸を躍らせたことがあるのではないか

 ▼帆船でニュージーランド1周の旅をするはずだった少年たちが、遭難した揚げ句見知らぬ島に流れ着き、力を合わせて生き抜く物語である。ゴードン、ブリアン、ドノバンといった名前を懐かしく思い出す人もいよう。冒険の始まりは港を出て早々、大嵐に見舞われたことだった。さてこちらも意気揚々と船出したまでは良かったが、少年たち同様いきなり荒波にもまれる展開になっているようだ。政治の海で針路を失っていた民進党丸の新たな船長に就いた前原誠司氏のことである。共に船を引っ張っていく人物を選ぶ役員人事でつまずいた

 ▼一度は前原氏の抜てきで内定していた山尾志桜里元政調会長の幹事長起用が、力量や経験の不足、不祥事などを理由に撤回を余儀なくされたのである。かじ取りのまずさが露呈したわけで、リーダーとしての資質にも疑問符が付いた。5日の両院議員総会で幹事長に決まったのは当選6回の大島敦元総務副大臣。代表選で敗れた枝野幸男元官房長官も代表代行に納まった。役員にはこの他、政調会長に階猛氏、国対委員長に松野頼久氏、選対委員長に長妻昭氏といった面々が並ぶ。何だか船頭ばかり多いようだ

 ▼物語の15人の少年たちはときにけんかもしたが、たいていの場面では認め合い助け合い、ついに一人も欠けることなく故郷に帰ることができた。手遅れにならないうちに、民進党の皆さんも再読してみてはどうか。


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