鉄業界で働く女性たちで組織するフェライテリアは14日、鉄の現場を知るための工場見学会を実施した。鉄骨加工会社の竹原鉄工所(本社・札幌)を訪問し、溶接ロボットや大型切断機の迫力ある加工の様子や、ひたむきに作業に打ち込む職人たちの姿に接した。
メーカーや商社、鉄工所などで働くフェライテリアのメンバーは、工場見学などを通じて鉄の知識を身に付けている。今回は17人が参加した。
丘珠空港近くにある竹原鉄工所は2万m²を超える敷地に、延べ約9900m²の工場と屋外ヤードを持つ。切断や穴開け、表面処理といった1次加工から梁・柱の組み立て、溶接、さび止め塗装までを一括して行い、月間約800―1000㌧生産している。
一行は南北に分けた工場内で、大きなH形鋼から小さな部材接合用の部品まで作られていく様子を見学。表面処理機「ショットブラスト」や「バンドソー」と呼ばれる切断機、大型の柱に部品をつなげる溶接ロボットの動きに目を見張る一方、熟練した職人の加工作業を熱心に見入っていた。
参加者からは整理整頓の行き届いた場内や、不足した摩擦力を高めるための表面処理加工に関心を寄せていた。案内役を務めた大塚晶一生産技術室長は「機械化に甘んじず、ロボットで賄えない技術はあくまで職人の能力で対応していかなければならない」と力を込めた。
前回の活動で見学した玉造(本社・札幌)の女性技術者も参加。同社の北嶋里江さんは「自分たちが切断したものが加工される様子を見られて良かった」と笑顔で話していた。