道内で初めて札樽自動車道を対象に高速道路リニューアル工事を進めている東日本高速道路北海道支社は20日、初弾となる大野橋床版取り換えの現場を公開した。小樽方面に向かう上り線で、切断済みの老朽化した床版を大型クレーンで慎重に撤去しては、同時並行して新しい床版を設置していた。今月初旬から着工し、2018年12月に上下線ともに更新が完了する予定だ。
リニューアル工事は、16年度から準備が進められてきた。大野橋は朝里IC―銭函IC区間の小樽市春香町に所在し、上下線でセパレートとなる。供用は上り線(橋長162・6m)が1971年、下り線(165・3m)が74年。いずれも鋼4径間連続板桁橋、下部が逆T式橋台2基、壁式橋脚3基の構成だ。
同橋は経年劣化に伴い、コンクリート床版の劣化や鉄筋部分のさびが著しいため、同社は同橋の床版取り換えを計画。16年度にドーピー建設工業が税抜き8億5000万円で落札した。
工事手順は、あらかじめ製作したプレキャストPC床版(縦1・6―7m×横10・5m×厚さ0・22m)を、既存床版を撤去した後の鉄桁上に載せていき、その間隙(かんげき)をコンクリート打設してつなげていくというもの。上り線は全体での床版81枚中、52枚まで取り換えている。
現場を公開した当日、同橋では午前中に、夜間に切断を済ませた既存床版の撤去を実施。220㌧のトラッククレーンを用いて、慎重に玉掛けと安全確認を繰り返しながら作業を進めていた。
ドーピー建設工業の加藤友靖現場代理人は「交通を下り線の対面通行に切り替えているため、そちらにコンクリート片が飛散したりしないよう気を付けている」と、高速道路上の現場の注意点を話した。