宇部興産と北海道宇部は3日、1日の養生期間で強度を発現するコンクリート舗装「1DAY PAVE(ワンデイペイブ)」の施工見学会を北海道宇部札幌工場敷地内で開いた。発注機関の担当者や生コン業者ら約30人が参加。現場の交通を早期開放できる特長や施工工程を学んだ。全国生コンクリート工業組合連合会北海道地区本部との共催。
セメント協会が開発したワンデイペイブは、施工後24時間で十分な曲げ強度を発揮する舗装用コンクリート。養生期間が短いことに加え、早強ポルトランドセメントや高性能AE減水剤といった入手しやすい材料で配合できる。
ことし7月時点で国内の施工数は149件で、道内は5件にとどまる。北海道生コンクリート工業組合などは生コン需要拡大に向け、各地で見学会を開いている。
この日、北海道宇部の技術者が配合の選定や、型枠流し込み、表面仕上げなどの工程を解説。質疑応答では、スランプロスや単価に関する質問が上がった。参加者の1人は「実際に見てみると、思っていたより導入しやすそうだった」と感想を話していた。
小沢和秀北海道宇部社長は「見てもらうことが一番普及につながる」とし、「普及を妨げていた養生時間の問題を解消している。高い耐久性やライフサイクルコストの低減といった利点を広めていきたい」と述べた。
北海道土木技術会舗装研究委員会では、寒冷地向けのコンクリート舗装の設計施工に関する手引書を作成。道生コン工組の斉藤弘光技術委員長は「手引書によって道内の普及に弾みがつく」と期待した。