札幌ドーム約30杯分のダム湖に―。室蘭建管が建設する厚幌ダムで、このほどたん水試験が始まった。順調に進めば、来春4月までに最高水位に達する見通しだ。
厚幌ダムは、厚真町内を流れる厚真川の洪水調整、流水維持、同町の水道用水供給、勇払東部地域への農業用水確保を目的に新設された多目的ダム。同流域で1970年に完成している農業用の厚真ダムの下流に位置する。
規模は、台形CSG構造の堤長516m、堤高47・2m、集水面積105・3平方㌔、たん水面積3・03平方㌔、総貯水量4740万m³、有効貯水量4310万m³は札幌ドーム約30杯分、厚真ダムの5倍に当たる容量を確保する。
工事では、道道上幌内早来停線や町道など延べ13㌔余りの道路付け替えを先行。本体は安藤ハザマ・岩田地崎・田中共同体が受注し、2014年10月に着工した。翌年4月から堤体コンクリートの打設に取り掛かり、16年9月に完了させた後は最終段階に向けた工事を進めてきた。
今月から始まったたん水は来春までに最高水位へと達し、関連する試験を経て秋には平常時満水位での運用を迎える見通し。
建管担当の坂野雅人胆振総合局副局長は、事業最終段階を迎え「ダム建設に当たって理解と協力をいただいた地元の方々はじめ、工事関係者に感謝したい」とし、「地域の人々に安らぎと潤いを与えるダムとして、雄大な湖が姿を現す日を心待ちにしている」と話している。