品質評価に新技術 コンクリ表面全体 AEセンサで検査

2017年10月26日 19時04分

 北海道開発局は2017年度、コンクリート施工後の表面全体の品質を評価する新技術を試行する。振動を計測するAEセンサを用いた打音検査で、函館開建発注の278号函館市大船大橋下部工(工藤組)に導入。品質確保による構造物の長寿命化と施工技術の客観的評価につなげる考えだ。

 この技術は、国土交通省がi―Constructionを推進するため、発注者らの現場ニーズと技術シーズをマッチングさせて現場で試行する取り組みとして選んだ全国5件のうちの1件。

 具体的にはAEセンサを施工後のコンクリート表面に当て近くを打音し、振動の周波数分布などを波形処理装置で分析。波形のずれから不良部分を見つけるもの。

 通常は劣化の評価で使われることはあるが、施工後1カ月程度の評価で導入するのは初めてだという。本道は冬季の凍結融解によるひび割れが起きやすく、開発局は施工後のコンクリート表面全体の品質を評価する技術を探していた。現場では今回マッチングに成立した技術(原子燃料工業)以外に他社が持つ類似の新技術も試行する。

 大船大橋下部(橋脚)は、コンクリートの品質向上の一環で17年度から取り組んでいる「コンクリート施工状況把握チェックシート」と「表層目視評価」の試行現場。同じ現場に導入することで、目視評価との比較検証を行うのが狙い。

 開発局はコンクリートの表面性状と劣化の相関関係は大学などの研究でもまだ明らかになっていないとしつつ、今回の技術を用いて将来的には施工後の品質を客観的に評価できる手法を確立したいとしている。


関連キーワード: 新技術

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • オノデラ
  • 日本仮設
  • 東宏

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

おとなの養生訓 第245回 「乳糖不耐症」 原因を...
2023年01月11日 (1,393)
函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (1,303)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (1,283)
アルファコート、北見駅前にホテル新築 「JRイン」...
2024年04月16日 (1,086)
藻岩高敷地に新設校 27年春開校へ
2022年02月21日 (991)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第258回「体温上昇と発熱」。病気による発熱と熱中症のうつ熱の見分けは困難。医師の判断を仰ぎましょう。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第34回「1日2470個のご飯粒」。食品ロスについて考えてみましょう。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第32回「読解力と認知特性」。特性に合った方法で伝えれば、コミュニケーション環境が飛躍的に向上するかもしれません。