新たな製造技術開発へ 道科学大らがセミナー

2017年11月02日 19時00分

道総研と道科学大の協働セミナー 「北国の豊かな暮らしをつくる 寒冷地における材料性能の向上と新たな製造技術」をテーマとした北海道科学大と道立総合研究機構の協働セミナーがこのほど、札幌市手稲区の同大で開かれた。新たな展開に向け過渡期にあるという金属3Dプリンターや、寒冷地で求められるプラスチック製装具の材料性質などを報告。活用する際の課題や今後の展望を示した。

 3回目を迎えた協働セミナー。今回はものづくりに重要な要素となる素材として、金属、プラスチック、バイオマスを取り上げ、両者が研究の一端を紹介した。

 工業試験場の鈴木逸人研究員は金属3Dプリンターを使ったものづくりについて、現状や研究例などを発表した。製品自体が産業として発展した歴史に触れながら「(国内市場は)2020年に700億円規模に成長するといわれている」と話し、安価な装置(樹脂)は減少するが、高価な設備(金属)は増加するとの企業予測を紹介。造形サービスや材料の市場規模も拡大するとの見方も示した。

 「どんな形も作ることができる」と同製品のメリットを挙げ、複雑形状や内部構造にも対応し、生産時間の短縮やコストダウン、高機能化も実現すると解説。「世界中の企業がものづくり道具の一つとして認識し、使い始めている。金属3Dプリンターを使用したものづくりは、これまでの試作品製作から実製作での大量生産に向けた過渡期にある」と強調した。

 一方、同製品を使いこなすための人材育成が求められると指摘。同技術で「北海道の金型、自動車製品の活性化を目指したい」と力を込めた。

 同大保健医療学部義肢装具学科の村原伸講師は「プラスチック製装具の寒冷地での安全使用に必要な材料の性質」と題して研究の現状や計画を発表した。

 義肢装具は、足に障害のある患者がリハビリや日常生活で用いるもの。プラスチック製の短下肢装具の製作過程を示しながら「ポリプロピレンは北海道のような寒冷地で使用できる安全な材料なのか」と研究の発端を述べた。

 安全性の指標を示す評価項目として温度や製作方法などを提示。寒暖差の大きい屋内外を繰り返して移動する際に起こる残留熱ひずみも影響因子に挙げた。

 さらに「寒冷地での使用で、材料の安全性に関する規定がない。材料の安全性に関する治験が必要」と強調。課題を精査するとともに対応策についても検討する必要があるとし、将来的には研究成果が医師の装具処方判断に反映されることを期待した。


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