新千歳空港国際線ターミナルビル再整備の施設概要が判明した。増築するターミナル部分は延べ約6万3000m²の規模で、既存施設を合わせると約12万4000m²となる。4階から8階のホテル部分は延べ約2万500m²で、海外からの富裕層をターゲットにした客室約180室を想定。2016年度の国際線旅客数は272万人に達し、さらに増加が見込まれることから、今回の空港ビル再整備により500万人対応の施設機能を目指している。
17日、新千歳空港ターミナルビルディング(本社・千歳)の永井誠一常務らが千歳市内で記者会見し、施設概要を発表した。
国際線ターミナルビル再整備は、年々増える外国人観光客に対応するため、一般搬入車の駐車場として利用している南側に拡張し、税関・出入国管理・検疫(CIQ)や航空会社の事務所、物販などのテナントが入居するスペースなどを増やす。9日、安全祈願祭を行い、A、B、Cの3工区に分けて着工。総事業費はCIQなど官庁エリアを除き650億円を試算している。
増築部分の施設1階は車寄せや手荷物荷さばき場、2階は到着ロビー、3階は出発ロビー、4階はラウンジのほか、免税店などが入る商業施設、ホテルフロントをそれぞれ配置。5―8階はホテルの客室となる。
ホテルは、スタンダードルームから250m²以上の最上級スイートまでを設けるほか、温泉や高級レストラン、スパなども併設する。
入国手続きの時間を短縮するため、施設機能も充実する。荷物を預けるチェックインカウンターを47ブースから74ブース、保安検査レーンを4レーンから9レーンに増設。ボーディング・ブリッジも8基から17基に増やす考えだ。
供用は20年3月末を予定しているが、工事が完了した施設から順次使用。旅客取り扱い部に関しては、札幌ドームが会場となる19年9月開催のラグビーワールドカップ前の同年8月ごろ、ホテルは東京五輪開催前の20年1月をそれぞれ予定している。