事業費圧縮し整備へ 美深町のチョウザメセンター建設

2017年11月22日 10時00分

 美深町は、新たな地場産業としてチョウザメを生産・研究するために建設する仮称チョウザメセンターの総事業費を、マイクロ水力発電所などの整備を見送ることで当初試算していた約24億円の半分以下まで圧縮する方針だ。本年度から工事に取り掛かり、ふ化施設棟建設などを進めており、2018年度は給排水路と一部水槽設置に着手する考え。給排水路などの基幹施設は、優先順位を整理した上で毎年施工対象の規模を検討し工事に取り組む予定となっている。

 町内を流れる天塩川では、明治までチョウザメが遡上(そじょう)していたといわれ、町は魚肉とキャビアの生産体制を構築することで地域振興と雇用創出、飼育による研究推進など産学官連携、交流人口拡大を図る。

 センターの建設地は辺渓287の2の町有地。元々は牧草地だった場所で、ほくでんエコエナジーの水力発電所から流れる放水路があり、雑木などがなく安定的な水量を確保できることが建設地の決め手となった。敷地は北側を通る美深雄武線、南のペンケニウプ川に挟まれており、現在は道道側で稚魚ふ化施設棟を橋本川島コーポレーション・山崎組共同体が、河川側で樋門を山崎組が施工している。

 敷地内に計画する施設は、基幹施設がふ化施設棟と樋門2基のほか、給排水路、排水用沈砂池、ビオトープ、年間5000尾の繁殖計画を賄える複数個の稚魚用水槽と親魚用水槽を配置したレーン、稚魚用の浅瀬で高温化を図る特別水槽、餌などの倉庫、管理用道路。それぞれ施工前に牧草地の造成と規模見直しの実施設計が必要となる。

 そのほかの施設としては、マイクロ水力発電所や産卵遡上誘導路、管理・研究・住居棟を想定していたが、事業費を抑えるため、今回の5カ年計画では施工しない方針。町は施設整備の先見送りで総事業費が半分程度に縮小するとみているが、さらに予算を抑えたい考え。見送る3施設のうち管理・研究・住居棟は17年度施工予定のふ化施設棟管理用事務所兼休憩所で当面は代用し、ほか2施設はチョウザメ生産事業の収益を踏まえながら整備の可能性を探る。

 17年度はふ化施設棟と樋門のほか、同棟の管理用事務所兼休憩所と井戸を整備する見通し。事務所施設は常駐1人を含む3人体制を想定しトイレとシャワーを配置した平屋となる。宿泊機能の追加を検討しており延べ床面積は流動的で、構造はW造かプレハブ型を想定している。井戸は試験用に掘削済みで、ポンプ設置とふ化施設棟への配水管布設が施工内容となる。12月上旬にも指名競争で入札する見通しだ。

 18年度は、17年度末完成予定の取水・排水用樋門を早期に活用できるよう給排水路を整備する。それぞれ延長約200mで、当初計画では給水路が幅2mと深さ2mのU形コンクリートトラフ、排水路が素掘りの幅2m、深さ1mとしている。

 また、ふ化施設棟は早ければ18年6月から稼働するため、同年度内に稚魚用水槽設置に一部着手したい考え。18年度以降はビオトープ、稚魚用特別水槽と倉庫、親魚用水槽に順次取り組んでいく意向。施工期間は5カ年程度を見込んでいる。


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