12月9日に高松市で開かれる第11回コンクリート甲子園(全国大会)に、道内から唯一、札幌工高のチームが出場する。第10回大会の予選に続く2度目の挑戦で予選を突破し、初出場を果たした。生徒たちは「何とか入賞したい」と力強く宣言した。
コンクリート甲子園は、身近な建設部材であるコンクリートの特性や配合設計の基礎知識を身に付け、コンクリートの作製を通じて材料の選択や練り混ぜなどを体験することなどを目的に開催している。
今回の予選では2本の供試体を作製し、強度の平均値が目標強度1平方㍉当たり50以下で、かつ目標強度に最も近いチームから順位付けした。個々の強度が目標強度を超えても失格とはならないが、平均強度が超えると失格となる。20校が挑戦し、11校が予選を通過した。
予選を6位で通過し、大会に出場するのは、リーダーの大野恵太郎さん、サブリーダーの鎌田啓杜さん、メンバーの中野瞭さんと小林駿平さんの3年生4人。この4人が2年生の昨年、初めて挑戦したが「強い強度を求めるだけの試験で慣れていなかった」(大野さん)ため、予選を通過できなかった。
今回の供試体作製には4人に加え、2年生の大友翔琉さんも参加。予選通過を川村茂先生から聞いたときは、全員が「驚く一方、喜びでいっぱい」になったそう。
全国大会では、予選と同じ条件による供試体3本の強度部門のほか、パネルなどを使って工夫や作製過程を審査委員にアピールするプレゼンテーション部門、地域をアピールする絵を供試体に描くデザイン部門の3部門で審査。部門別に上位3位、合計得点での上位3位、審査委員特別賞として1チームを表彰する。
このほど事前に送付する供試体3本を5人で作製した。コンクリートが固まらないなどのトラブルや配合設計の変更などで何度も作り直したことから大きくスケジュールが遅れたが、何とか間に合わせた。絵を描くデザイン部門を担当した小林さんは「地域を代表するデザインとしてテレビ塔、時計台、クラーク像を選んだ。家に持ち帰るなどギリギリでしたが間に合った」と笑顔を見せた。
これから当日使用するプレゼンテーションの資料作りに取り掛かる。リーダーの大野さんは「デザイン部門は1位だと思うが、強度は力を出し切れなかった。プレゼンテーションで挽回し、チームワークで入賞を目指したい」と意気込んでいる。