札幌市中央区にある斗南病院跡地約2800m²について、約半分の敷地を保有する国家公務員共済組合連合会(KKR)が、移転した斗南病院向けの時間貸駐車場として整備を進めている。KKRが国から借りていた残り半分の敷地は年内にも返還。管理する北海道財務局が、道や札幌市に利活用を呼び掛け、希望がなければ一般競争などで民間に売却することになる。
道議会庁舎南側の北1条西6丁目にあった斗南病院は、老朽化や狭あい化などから建て替えを決め、中央区北4条西7丁目3の1ほかの道有地に移転。その後、熊谷組が解体を進め、更地となっている。敷地は、約半分の1470m²をKKRが保有。残りの1300m²弱は国有地で、国がKKRに貸していた。
KKRの敷地では、来院者向け駐車場が手狭なことから、新たに53台分の時間貸駐車場を整備。関係者によると、タイムズ24の運営で12月1日にオープン予定だとし、しばらく敷地はこのままの利用となる見通し。道議会庁舎建て替えが2018年に着工するのに伴い、庁舎内の駐車場が縮小するだけに、周辺に位置する有料駐車場の利用者が増えることが予想される。
一方、国が保有する残る敷地については、KKRからの返還後、本格的な利活用の検討が進むことになる。この敷地は登記されていないため、測量を行うとともに手続きを済ませ、利活用の準備を進めるもよう。
斗南病院跡地の周辺では、北海道放送(HBC)が本社社屋、KKRホテル札幌と北海道林業会館が一体となった複合ビルをそれぞれ建て替える計画で、今後、再開発の動きが活発化する。札幌都心部ではホテルやオフィスの需要が高いものの、まとまった敷地が見つからず、事業の足かせになっているだけに病院跡地の有効利用が注目される。