伊達市内の紋別川に砂防堰堤増設へ 室蘭建管

2017年11月29日 19時06分

 室蘭建管は、伊達市内を流れる紋別川に砂防堰堤1基を増設する。9月の台風18号で山腹崩壊が発生したことを受けて整備するもので、RC構造の鋼製スリット形式、堤長161m、堤高6mを想定。早ければ年度末までに一般競争公告し、2018年度早期の着工を目指す。対象等級や分割の有無などは今後詰める。

台風18号の被害を受け大量の流木が発生した伊達市内の紋別川

台風で大量の流木が発生した

 市が管理する紋別川は道管理の気門別川の支流で、延長11・7㌔、流域面積14・9平方㌔の普通河川。台風18号による豪雨で流域の山腹が崩壊し、川に流出した立木などが市道橋の紋別大橋に引っ掛かり、支流のアヤメ川、水車川が氾濫。住宅街や下流の国道37号沿線に濁流があふれ、床上浸水10戸、床下浸水29戸などの被害が発生した。

 紋別川には上流の沢で1964年に整備した堤高12m、堤長76mの砂防堰堤が1基あるが、山腹崩壊の規模が大きかったため捕捉容量が足りず、流木が堰堤を乗り越えた。現在も多くの堆積物が残り、大雨が降れば市街地に再び被害をもたらす恐れがある。

 室蘭建管では、既設堰堤下流川の東関内町に堰堤を増設することにより、被害の再発を防ぐことにした。同建管では、洞爺出張所管内災害調査設計その3の名称で、10月に国土防災技術北海道と予備設計を契約。堤長は既設よりも広げ161mを確保、河道部には高さ3―4m、幅30mのスリットを設ける考えだ。

 事業期間は17―18年度の2カ年で、工事費と測量試験費合わせて約4億円を投じる予定。室蘭建管では予備設計のほか、用測、立木調査、地質調査、実施設計などを年度内に済ませ、年度明けに着工というスケジュールを見込んでいる。


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