釧路市は、計画中の市立釧路総合病院の新棟建設を2018年6月に入札する見通しだ。企業会計の病院事業会計のため、市議会の契約承認を得る必要がないことから、入札後すぐに着工する。入札方法については、地元対応なども考慮し協議を進めている。工事費に173億5900万円を見込み、工期は21年1月まで。同5月上旬ごろまでに引っ越し作業を完了させる意向だ。
新棟の規模は地下1地上10階塔屋2階、S造、延べ3万7400m²で免震構造。実施設計は医療スタッフの意見や要望を取り入れながら、共同建築設計・武田建築設計共同体が18年3月までの予定で進めている。
病院の顔となる1階エントランスには患者総合支援センター、2―4階に診療部門と検査部門、手術部門と集中治療部門、透析室とリハビリステーション、5―10階に病棟部門などを設ける。
ハイブリッド手術室やNICUは、設備や医療機器の設置位置を検証し設計している。病棟は、医療需要や医療ニーズに対応するため、4床室を将来個室化できるよう考慮。中央に配置するスタッフステーションは、最も遠い病室までの距離を15m以内になるようにし、トイレは体を支えるための横手すりのほか、前かがみの姿勢を安定させるための前方ボードを適所に設置するなど、医療スタッフの細かな意見を反映させる。
先行して17年度に進めてきた立体駐車場増築は11月までに完了した。新棟完成後の21年度から既存の管理棟と第3外来棟の改修、第1、第2外来棟、中央診療棟、入院病棟の解体、外構に着工。18年度以降にこれらの実施設計を進める予定だ。立駐増築、新棟建設、既存棟の改修・解体、外構の総工費は203億3500万円を試算している。
また、敷地内に釧路薬剤師会の拠点施設と調剤薬局の併設を検討。現在、同会で協議を進めており、年度内にも方針が固まる見通し。提案場所には既存のサービス棟を想定し、設置する方針が決まれば21年秋にも利用できるようにする考えだ。