地下と高架を軸に検討へ 創成川通の構造形式

2017年12月19日 12時00分

 北海道開発局は18日、札幌都心をつなぐ創成川通の約4㌔を対象に調査を進めていた構造検討として高架、地下、交差点改良3案の内容を示した。概算費用は地下が1㌔当たり最大約260億円、高架は約180億円、交差点改良が約10億円と試算。2018年度は計画段階評価に入る方針で予算要求し、今後は高架と地下を軸に、それぞれを組み合わせた複数パターンの検討を進める。同評価には最低2年程度が必要で、早ければ20年度にも新規事業化の判断につながる可能性がある。

 開発局、道、札幌市の3者が同日、札幌都心アクセス道路検討会を札幌市内で開き、開発局が報告したもの。

 構造形式別の長所、短所を見ると、地下構造は周辺からの交通流入や信号交差点の回避で交通混雑が解消され、景観や騒音問題の可能性は低い。半面、地下埋設物の移設なども含め事業費が高額となり、全区間の概算費用は地上接続部分を除き最大約1040億円と高額になることがネック。

 高架構造は交通混雑が解消され、地下構造より事業費は割安で最大約720億円(接続部分除く)を見込む、冬季に積雪の影響は解消されないほか、地上構造のため景観にマイナスの影響を与える可能性がある。

 現道での交差点改良は、北34条から北3条までの交差点24カ所のうち、右折レーン未設置の17カ所を対象とする。概算は17カ所で最大約175億円と最も安価だが、交通混雑の抜本的な解消にならず積雪の影響も受けることがデメリット。

 開発局では、全体の4㌔のうち高速道路周辺と北24、18、15条の各交差点エリアの中間部、北8条以南の都心部と3区分に分け諸条件を検討。

 それぞれ、周辺状況や鉄道高架、地下構造物の存在など条件が違うことから、18年度以降、3案を組み合わせた複数のルート案を検討する考え。

 交差点改良は抜本的な課題解決が難しく、高架と地下を軸にコストも含めパターンを検討する。ただ、北3条通との交差部以南にある既設の創成トンネルとの接続やJR高架との干渉を考慮すると、北8条以南は高架整備ができないため、都心部は地下か交差点改良に絞られる見通しだ。

 道は都心アクセス強化に関して周辺自治体が観光や物流、医療、通学などで整備効果を期待する声を報告。札幌市は市民情報共有を推進する考えを伝えた。

創成川通機能強化構造形式別検討 3案の比較


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