ことしも残すところきょうを含めてあと3日である。トランプ米大統領に揺さぶられ、北朝鮮にかき回され、森友・加計問題に大騒ぎした2017年だった
▼「丁酉(ひのととり)」は新旧がせめぎ合うか調和するか、傾き次第で平にも乱にも転がると示していたが、まさにそんな年ではなかったか。皆さんにとってはどんな一年だったろう。さて、来年は。恒例により「干支(えと)」の教えるところを紹介したい。来る2018年は「戊戌(つちのえいぬ)」である。「戊」とは手でつかむおのをかたどった字で、その勢いから「発芽しきった新芽が遮るものを全て押し分けて成長する」さまを表すそうだ。無理にでも、また困難を冒してでも進もうとするのが特徴だという
▼一方、「戌」は「戊」と似ていることで分かる通り、やはりおのが元になっている。ただしこちらの字は「戊」に横棒が一本加わることで字義が「切る」となり、そこから「作物を刈り取りひとまとめにして収穫する」と解釈するそう。つまり「戊戌」の年は、準備が十分に整った事業は芽の状態からでも一気に成長し、成功の果実も得られるということ。勢いに差がある二つの力の調整が難しかったことしの「丁酉」とは対照的に、流れは素直で滞りがない
▼景気は上向いているようだがいまひとつ自信が持てない、良いアイデアはあるが内部に反対もあって…。そんなこんなでしばらく新しいことを始めるのに決心をつけられずにいた人には、チャンスの年になるかもしれない。思い切って一歩を踏み出してみてはいかがだろう。