先週の札幌モーターショー2018で、並み居る有名自動車メーカーの最新モデルと同じくらい興味をひかれたのが道内の工業系学校が出展した手作りエコカーである
▼外形こそ未来を感じさせる洗練されたデザインから武骨なものまでいろいろだが、いずれも学生ならではの斬新なアイデアが打ち出されているのには感心した。「近い未来、大人になった自分たちが乗りたい」北海道らしい車がテーマだったという。参加したのは5校。旭川高専の「AK―GoGo」は車体の前に雪を吹き払うファンが付く。旭川実業高の「CHOUETTE」は交通安全の願いを込めて車体をエゾフクロウに模した。道自動車整備大学校の「EV sports 02」はモーターを3つ使った4輪駆動で雪道の走破性向上を狙う
▼道科学大学高の「冬幻」は荷台を自由にアレンジして仕事にも遊びにも活用できる仕様。また、道職業能力開発大学校の「earth」はSF映画に出てくるような美しい曲線デザインを採用した。作品以上に目立っていたのが学生たちの熱気である。皆自信を持って紹介していた。電気自動車はシステムが単純で部品も少ないため、学生でも技術やアイデアを存分に生かせる分野という
▼電気自動車で世界の最先端を行く会社に米国「テスラ」がある。創業者のイーロン・マスク氏は10代のころ南アフリカから米国に移住。農場などで働きながら起業の機会をうかがい、ついに成功した人である。それが新しい技術に目を輝かせている本道の学生たちの、「大人になった」姿でも不思議はない。