岩見沢市は2018年度、新市立総合病院建設に向けた基本構想策定に着手する。15日に発表した新年度予算案には事業費900万円を計上。今後の病院の在り方や適正な規模、建設する場合の建設地などについての検討を進める。発注時期は未定だが、できるだけ早期に発注し、年度末までにまとめる見通しだ。
9条西7丁目にある市立総合病院は、S造、地下1地上6階、延べ2万1945m²。地域センター病院に指定されるなど南空知地域の中核的な役割を担っており、循環器内科や消化器内科、外科、整形外科、小児科、産婦人科、眼科など全15科で構成する。病床数は484床、駐車台数は620台。
病院は病棟部分が1984年、外来部分が85年の完成。建設から30年以上経過し、老朽化により施設や設備の能力が低下している、高度化する医療ニーズへの対応が困難となっている、院内の空調が古く気温上昇に対応できず療養環境が悪い―などの課題があるほか、駐車スペースが狭い、食堂や喫茶などのサービス機能低下といった問題も抱えている。
そこで、市では新市立総合病院建設に向け、16年度から内部検討を開始。地域の医療事情把握や病院の持つ強みや弱み、患者の動向などについて調査をしてきたが、18年度からは本格的に予算措置し、調査と基本構想策定に乗り出すことにした。基本構想には、地域センター病院としてふさわしい病院の機能や患者動向などに加え、必要な病床数を盛り込むことも視野に入れている。
現病院の敷地面積は3万108m²だが、このうち約5000m²が借地であることから、新病院建設に当たっては現地建て替えとするか、移転とするかも大きな課題となるとみている。
市では、建物を建て替え構造を根本的に変えることで、今後も救急医療や小児医療、高度医療などに対応可能な地域センター病院としての役割を果たし、良質で安全・安心な医療を提供していく考えだ。