冬山で遊ぶなら

2018年03月06日 07時00分

 冬の遊びと問われて真っ先に思い浮かべるのは何だろう。雪国北海道の住民なら皆それぞれ好みのものがあるのではないか

 ▼子どものころということなら雪合戦や雪だるまづくり、築山でのそり遊びを挙げる人が多いに違いない。大人になってからであればスキーやスノーボード、登山、スノーモービルといった少々お金のかかる遊びを挙げる人が増えてこよう。冬ならではの遊びがあるのも本道の魅力の一つである。ただ、楽しむためには安全への配慮が欠かせない。冬の遊びは時に危険と隣り合わせになることがあるからだ。そのことをまた思い知らされる痛ましい出来事が、暴風雪で本道が大荒れとなった先週の1日に起きてしまった

 ▼趣味のシカ撃ちのため苫小牧市丸山の林道に入り立ち往生したNHK記者を救援するため、現地に向かったロードサービス会社の従業員筒井智寛さんが亡くなったのである。筒井さんは深い雪を懸命にこいで体力を著しく消耗。動けなくなった末、低体温症に陥ったらしい。なぜそんな悪天の日に趣味とはいえ林道へと疑問もわくが、これは一人NHK記者だけの問題ではない。近年、山岳地でスキーなどを楽しむバックカントリーや、ゲレンデ外の滑走で遭難するケースが多発しているのである

 ▼共通するのは冬山リスク無視。危険に対する感受性が鈍っているのではないか。冬の林道も山である。要請があれば救助隊は出動するが常に2次遭難の恐れは付きまとう。山で遊ぶ人は冷静にリスクを見積もる判断力が必要だ。自分ばかりか他の人まで危険にさらさぬため。


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