春の魔法

2018年03月15日 07時00分

 この1週間の陽気で今冬初転びを経験した道産子も少なくないのでないか。雪国に生まれた者は一度も尻もちをつかずに冬を乗り切ることに妙な自負心を持っているが、こう道がつるつるでは長年培ってきた雪道歩行術も一向に役立たない

 ▼当方もつい先日、敗北感を味わったばかりである。「うづくまる獣の如しくろずみて路傍に残る雪といふもの」片山栄志。ぬれるだけならまだしも、どろどろになるのには参る。札幌で真冬日を観測したのは今月7日が最後。きのうはついに最低気温もプラスに転じ、冬日を脱する日が現れた。ところが厳しい寒さが続き雪も多く残っていたところに暖気が押し寄せたものだから、あちこち水浸しで厄介この上ない

 ▼とりわけ例年にない積雪に悩まされた釧路や函館地域は、ここにきて雪解け水にも難儀させられていると聞く。本紙14日付も、釧路川が大雨と融雪の影響で戦後2番目の水位になったとの釧路開建記事を伝えていた。融雪災が各地で多発しなければいいのだが。うっとうしい事柄だけを気にしていても仕方がない。明るい面にも目を向けてみよう。きょうは公立中学校の卒業式、あすは公立高校の合格発表である。本物の桜の開花はまだ先だが、「サクラサク」の便りは全道の吉報を待つ家庭に一足早く届けられるはず

 ▼「人も地も街も変身春の魔法」末安真理子。いろいろな物事が一気に動きだし姿を変えていくさまはまさに「春の魔法」。自然と足取りも軽くなる。ただしつるつる道には気を付けて。きれいな服が一瞬で真っ黒になる春の魔法にかかる。


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