リーダー論

2016年05月17日 09時11分

 ▼本紙の読者には、経営幹部や部下を率いる立場の人が少なくないだろう。組織をまとめ上げるのに日々頭を悩ませているに違いない。第一生命のサラリーマン川柳に以前、こんな手厳しい一句があったのを覚えている。「社の行く手社長ひとりが通せんぼ」(狂介)。社会経済の状況を読み、手を打ったものの空回り。批判ばかりが聞こえてくる。上に立つ者の苦労は、なかなか理解されないもののようだ。

 ▼書店ではタイトルに「リーダー」と付く本につい手が伸びるのでないか。最近、そのテーマを扱ったある新書が11万部を超えたと聞き読んでみた。アイドルAKB48グループ元総監督高橋みなみさんの『リーダー論』(講談社)だ。今25歳だが、300人以上のメンバーをまとめ上げてきたという。その努力と実践には感心させられた。リーダーという肩書は皆が言うことを聞いてくれるツールでなく「みんなの目を厳しくさせるツールだ」。そんな一言にも強い責任感が垣間見える。

 ▼さて、それでは16万人以上の職員を抱える組織の、67歳のリーダーの責任感はどの程度のものだろう。舛添要一東京都知事が13日、記者会見で政治資金の私的使用疑惑について釈明した。いわく、会計責任者が―、法的には―、単なる間違いで―。弁舌こそ巧みだがどうにも言い訳にしか聞こえない。高橋さんはリーダーの条件にも触れていた。「言っていることと、やっていることを一致させる」。舛添氏なら多分こうだ。「やっていることを、無理やり一致するよう言いくるめる」


ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • web企画
  • 東宏
  • 川崎建設

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

おとなの養生訓 第245回 「乳糖不耐症」 原因を...
2023年01月11日 (1,415)
函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (1,242)
アルファコート、北見駅前にホテル新築 「JRイン」...
2024年04月16日 (1,166)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (1,123)
函館開建が国道5号の常盤川交差部に橋梁新設の可能性...
2024年04月17日 (782)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第258回「体温上昇と発熱」。病気による発熱と熱中症のうつ熱の見分けは困難。医師の判断を仰ぎましょう。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第34回「1日2470個のご飯粒」。食品ロスについて考えてみましょう。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第32回「読解力と認知特性」。特性に合った方法で伝えれば、コミュニケーション環境が飛躍的に向上するかもしれません。