建設資材値上げの春 セメントや鋼材などコスト上昇で

2018年04月01日 08時00分

 4月に入り、建設資材の値上げが相次ぐ。太平洋セメントは各種セメント製品の販売価格を1㌧当たり1000円以上、AGC旭硝子は板ガラスを10―15%引き上げた。今後は発泡ポリスチレン断熱材やエクステリア製品などの値上がりも控えている。いずれも製造や物流にかかるコスト上昇が主な要因。H形鋼や異形棒鋼など、鋼材の価格も昨年秋から上昇傾向が続いており、今後の着工動向に少なからず影響を与えそうだ。

 太平洋セメントの値上げは7年ぶり。住友大阪セメントも1日から、セメント・固化材の販売価格を1㌧当たり1000円引き上げた。

 セメント価格の値上げとは別の要因だが、札幌生コンクリート協同組合も1日から、夜間・早朝料金や距離割り増し価格などの導入を進めている。労働環境の是正を促すことで、業界が抱える慢性的な人手不足に歯止めをかけるのが狙いだ。

 カネカは1日から、断熱材に使う押し出し法ポリスチレンフォームを20%値上げした。主原料のポリスチレンの価格高騰や物流費などの上昇が理由。ダウ化工も21日出荷分から、スタイロフォームの全製品を20%値上げする。

 YKK APは、サッシやエクステリアなど一部商品の価格を3月から順次引き上げている。エクステリア商品は既に10―20%値上げ済みで、住宅用商品は5月1日受注分から約10%、複層ガラスは6月1日受注分から約10%値上げする予定だ。

ガラスやサッシも値上がり傾向にある

 ガラスの価格も上昇している。日本板硝子は3月1日出荷分から、建築用板ガラス製品の価格を10―15%引き上げた。建築用機能ガラス製品は7―10%上昇。AGC旭硝子も建築用ガラス関連製品の販売価格を1日納品分から10―15%ほど改定した。

 鋼材や骨材の価格も上昇傾向にある。経済調査会のまとめによると、札幌市内の異形棒鋼(SD295A D13㍉)の大口価格は直近で1㌧当たり7万6000円。先月から3000円値上がりした。

 コンクリートに使う砂は1m³当たり4600円、前月から300円上昇。コンクリート用の砕石は40―20㍉、20―5㍉とも1m³当たり4000円で、従来より200円上がった。

 値上げによって、製造や販売コストの是正を図りたいメーカー側。対してユーザーとなるゼネコンや施主には建設コストに重くのしかかってくるため、今後の物件動向に少なからず影響を与えそうだ。


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