あの独特の節回しで歌うエンディング曲「街の灯り」がもう聴けなくなるなんて―、と悲しく思う人はかなり多いだろう
▼STⅤラジオ土曜日の名物生放送番組『ウィークエンドバラエティ 日高晤郎ショー』のパーソナリティー日高晤郎さんが3日、悪性腫瘍により亡くなった。74歳だったという。病気など、お得意の毒舌でやっつけてしまいそうな人だっただけに意外の念が強い。あまりにも早過ぎるのでないか。ショーが始まった1983年から昭和天皇崩御で番組自体がなかった日を除きことし3月まで35年間、1回も休むことなく毎週ほぼ9時間の生放送を続けてきた。人気コーナーが数々ある。例えば歯に衣着せずニュースを斬る「朝刊ひろい読み」、身近な出来事を伝える「10時のうちあけ話」、道内で人知れず頑張る人を紹介する「北の出会い」
▼いつも軽妙なおしゃべりに笑わされ、人情味あふれる話に泣かされた。それが味気ない車での移動をどれだけ楽しく有意義な時間にしてくれたことか。ラジオを離れてもディナーショーや舞台で歌い、また語りと活躍の場を広げていた。まさに本道を代表するエンターテイナーの一人である。日高さんは「芸人」と呼ばれた方がうれしいかもしれないが
▼06年10月7日のラジオを聴いて思わず書き留めたメモが手元にある。こんな言葉である。「命ってものは神様からのいただきものだ。しかし、その命をいただいて、あとどう使って生きていくかってことは自分でやらなきゃいけない」。それを身をもって示し続けた生き方だった。ご冥福を祈る。