道議会新庁舎

2016年07月27日 10時16分

 ▼語られる状況によって中身は少しずつ変わるようだが、こんな例え話を聞いたことはないだろうか。教会の新築現場で、ある人が作業している者に「何をしているのか」と尋ねる。木工職人は「働かなきゃ食っていけないでしょうが」と答え、石工は「見て分からんか、石を積んでるんだ」と返したそうだ。最後に掃除をしていた老婆に問うと、「神様が気持ちよく過ごせますようにお宿を整えております」

 ▼仕事に取り組む姿勢とともに、一つの事業がどんな理念で行われているのか自覚することの大切さを教える。その伝でいくと新しい北海道議会庁舎の整備は、民主主義の基礎となる地方自治を守り育て、豊かな北海道を実現させる場づくりということになろう。公募型プロポーザルで選定を進めていたその道議会庁舎改築工事基本・実施設計の設計者が、先日決まった。イメージパースを見ると、広域自治体で初めてという、道産木材を活用した木造大屋根の議場がひときわ目を引く。

 ▼建物全体で道内15地域の地場産材を使用するらしい。庁舎が議員だけのものでなく、道民のものであることを示す仕掛けでもあろう。現庁舎は重厚だが親しみやすさに欠け、耐震性の低さは公共建築として致命的だった。懐古趣味を持つ者としては寂しいが、改築は仕方ない。最新のエネルギー技術や合理化工事の採用を考えると、決断の早さがトータルコストを抑えることにもなる。大事なのは完成後、道民の意見が集まる場を最大に生かし、コストを上回る成果を出すことだろう。


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