あす東急ステイ札幌が開業 外国人狙い長期滞在コンセプト

2018年04月23日 14時00分

 東急不動産ホールディングスグループでホテル事業を手掛ける東急ステイ(本社・東京)が、道内初出店となる「東急ステイ札幌」を24日にオープンする。首都圏だけでなく、訪日外国人の増加が著しい地方都市に商機を見いだし、京都や福岡、札幌での進出を強めている。ホテル運営を担う東急ステイサービス(同)の稲葉章司専務に今後の事業戦略などを聞いた。(経済産業部 武山 勝宣)

 ―札幌都心部ではホテルの出店が相次いでいる。どう差別化を図るのか。

東急ステイサービス稲葉章司専務

 競争の激しい東京を中心にホテル事業を進めているが、稼働率は安定して90%以上の数字を出している。宿泊者から評価された点は、他のホテルとは違い、長期滞在ができること。これをキーワードに、設計段階から客室内へのミニキッチンや洗濯機の設置を前提に造っている。他社の既存ホテルでは真似がしづらい取り組みだと思う。これを特長として前面に出したい。

 長期滞在というコンセプトだが、基本的にはビジネスや観光利用が中心だが、長く滞在できるということで顧客のバリエーションは多いと理解している。この点に関して、競争が激しいエリアでも生き残っていくための武器の一つだと思っている。

 ―訪日外国人に人気の高い札幌大通エリアに出店した理由は。

 日本の歴史を感じることを目的に訪れる外国人観光客は今後も増えると思う。政府は2030年に6000万人の目標を掲げている。その最大のポイントとなるのが、観光の主要都市と呼ばれている所。それは京都や札幌、福岡と捉えている。ここをまず重点に出店先として選んだ。当然、競合他社も同じことを考えていると思う。

 観光客としては、大通は魅力のエリアだ。特にさっぽろ雪まつりはアジアを中心に普及している大きなイベント。それを目的に来た観光客のためにもう1店舗、「東急ステイ札幌大通」をオープンする。こことは違うコンセプトを打ち出すが、長期滞在という核は変わらない。ユニットの構成などを変える。

 ―今後どのように道内でホテル事業を展開していくのか。

 海外でブランドになっているニセコにグループ会社がスキー場を持っているが、季節変動でピークと、そうでないときの差が非常に激しい。北海道ではどこも多かれ少なかれ、そうだと思う。観光だけに特化しては、ビジネスとしての安定性に欠ける。ビジネス客の宿泊を底支えにし、観光客でプラスを狙えれば。

 そういう意味では、札幌でのさらなる出店も十分考えられる。東京都内ではJR山手線の内側に集中出店していて、駅のそばに2つホテルを構えている所もある。北海道のポテンシャルからすれば、札幌はまだまだ出店の可能性はあるし、既存ホテルとの差別化もできるのではないか。


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