▼マイナス金利時代に入り、銀行にお金を預けておいても一向に増えなくなった、とお嘆きの人は多いだろう。一般の預金が目減りすることはないが、金利だけはどんどん下がっていく。身近なところを見ると、北洋銀行と北海道銀行の普通預金金利は現在、共に0.001%である。つまり1000万円を1年間預けても100円の利息しか付かないということ。つくのは利の息でなくため息ばかりなのだ。
▼単純に比較できるものでないのは重々承知しているが、そこへいくと公的固定資本形成、いわゆる公共投資の経済波及効果は本道でも約1・8倍ある。要は1000億円の投資があったとすると、約1800億円の生産が誘発されるということだ。どうも世間には公共事業との言葉を聞くと拒否反応を起こし、「無駄遣い」「税金の浪費」などと批判する人もいるが、確かに実体経済を潤すものなのである。インフラとなって生活を豊かにし、給与となって消費を拡大するという具合。
▼今回、政府が決めた事業規模28・1兆円の経済対策の主題も「未来への投資」。インフラ整備に重点を置くという。実際、事業メニューを見るとリニア中央新幹線開業前倒しや大型クルーズ船対応港湾整備、防災強化などが並ぶ。このうち国と地方の財政支出分(真水)は7・5兆円とのこと。本道にも追加補正として、開発事業費で直轄と補助合わせ1000億円超の予算が配分されることになりそうだ。効果は銀行の金利並みとやゆされないよう、リターンの大きい投資にしたい。