京都にはどんな印象をお持ちだろう。それぞれとは思うが、歴史の古さや静謐(せいひつ)さの他に、たおやかな人々、も一つ挙がるのではないか。ところが、井上章一国際日本文化研究センター教授の『京都ぎらい』(朝日新書)を読むと、その見方は一変する
▼京都には街中である洛中とその周縁部の洛外があり、洛中人が洛外を見下す態度が著しいというのだ。しかもそれがいんぎんで一層いやらしいとのこと。地域の姿や性格には多様な側面があり、少し触れたくらいでは分からないということだろう。その京都府に差をつけて、今回も北海道が1位を獲得した。ブランド総合研究所が19日に発表した「地域ブランド調査2016」の都道府県の魅力度ランキングである
▼8年連続の1位だというから道産子としてはうれしい。同時に発表された市区町村のランキングでも函館市が1位を保った。本道勢は3位札幌市、4位小樽市、6位富良野市とベスト10に4市が入る健闘ぶり。その人気は根強いようだ。北海道新幹線の開業効果で北斗市の順位も上がったらしい。認知度や観光意欲度が増している。ただ、心配な結果もあった。北海道は首位こそ維持したものの評価点は年々低下の一途をたどり、今回54・2。ピークだった11年の70・7を16・5も下回ったという。函館や札幌も同じ低落傾向にあるそうだ
▼観光に注ぐ力は強くなっているにもかかわらず、反比例するかのようなこの動き。はて一体どうしたことだろう。知らぬ間に「北海道ぎらい」の論が生まれていなければいいのだが。