先週末、そろえねばならないものがあって札幌市内のスーパーとホームセンター、家具量販店を1日で回ったのだが、どこも大盛況なのには驚いた
▼休日のスーパーは安売りをしているためいつものこと。ところが他の店もこれほどとは。しかもほとんどの買い物カートには商品がどっさり。不景気などどこ吹く風といった趣なのである。そこで若干気になったのは客の年齢層が高いこと。若者が少ないように見えた。店ごとに対象客層は異なるし、地域によっても違うと言われればそれまでである。ただ、いろいろな階層間で所得格差が拡大している今だからだろう。高齢者と若者の購買力の差が、この週末の風景に現れていたのではとの思いがふと頭をよぎった次第
▼安定した職業生活を送り十分な年金も受け取る高齢者と、不安定かつ低賃金での就労を強いられ年金もさほど期待できない若者とでは買い物にも差が出よう。多くのゆがみを生むこの格差だが、解消のめどもないまま進んでいるのが現実である。中でも格差がもたらす最も深刻な問題は子どもの貧困らしい。『子供の貧困が日本を滅ぼす』(日本財団子どもの貧困対策チーム、文春新書)によると、貧困を放置したままにすると、0―15歳の生涯所得合計で日本から約43兆円もの富が失われるそうだ
▼家庭の経済格差が教育格差を生み、それがさらに所得格差を招きと、貧困は世代を超えて連鎖していくのだとか。日本社会は今のうちに子どもと若者の未来をどっさり買っておいた方がいい。後になればなるほど高過ぎて買えなくなる。