室蘭建管が試験たん水を行っていた厚幌ダムがこのほど満水になり、地滑りの有無などを確認するため、排水しながら水位を下げている。順調に進めば、8月末にも計画堆砂面の最低水位64mに達する見込み。完成式は9月以降、降雪前に開催される予定だ。同建管ではダムの機能を確保し、3月末の供用開始を目指している。
厚幌ダムは、厚真町内を流れる厚真川の洪水調節や河川環境の保全、かんがい用水の確保、厚真町への水道用水供給といった多目的ダム。2014年11月から掘削開始し、17年9月に本体工事が完了。10月2日から試験たん水を開始し、18年5月7日、貯水量が洪水時最高水位の88・1mに達した。これ以降は地滑りの有無など確認するため、水位を下げている。
最低水位まで下げた後は再度水をためて、厚真川の流量水確保と水道用水供給というダムの機能を確保し、来年3月末にも供用開始する。
ダムは台形CSG構造で、規模は堤頂長516m、堤高47・2m、集水面積105・3平方㌔、たん水面積3・03平方㌔、総貯水容量4740万m³、有効貯水量4310万m³。完成すれば当別ダムと、金武ダム(沖縄)に続き、国内3カ所目の台形CSGダムとなる。
一方、厚幌ダムへの道道は、のり面が崩れたため、通行止めが続いている。