岩倉博文苫小牧市長に聞く 4期目の取り組み

2018年06月25日 18時00分

 任期満了に伴う苫小牧市長選挙が24日に告示され、無投票で現職の岩倉博文氏が4回目の当選を果たした。7月2日に当選証書が付与され、同9日に初登庁する。市長選挙が無投票になったのは19年ぶり。基本テーマに「快適都市を目指して―笑顔あふれるふくしのまちづくり」を掲げ、25項目50施策の公約を設定した。財政基盤を一層強化し、人口減少対策の推進など20年先を見据えたまちづくりに挑む岩倉氏に4期目の抱負を聞いた。(苫小牧支社 乙部真貴子記者)

 ―4期目はどのようなことに取り組むのか。

 財政状況が非常に悪かった経過があったので、1、2期目は財政健全化の道筋をつけるということを最優先にしてきた。結果として、どこに出しても恥ずかしくない財政状況になったとはいえ、これから公共施設などがほぼ同じサイクルで老朽化を迎える。更新投資あるいは新たなまちづくりや成長戦略のための投資などが出てくるので、財政基盤の更なる強化が必要になってくる。同時に次の成長発展に向けた道筋を、この4年間で少しでもつけたい。

 ―一番取り組みたい課題は。

 苫小牧は物流都市。臨空・臨海ゾーンにおける良質な雇用をたくさんつくっていくことが時代から求められており、それに向けて努力を続ける。苫小牧はものづくりのまちなので、さらなる集積を目指す。マーケットが収縮しつつある日本だが、空と海の物流基地がまちの中にある苫小牧だから果たせる利点を生かしながら、新規分野への投資を呼び込むための努力をもっとしていかなければならない。

 ―IRも念頭においているのか。

 国際リゾートについては、すでに発信をしている。24日現在、国の法案が通っていないので、まずは国の法案がどうなるのか。北海道の正式な意思表明というものがなければ、われわれがオファーできる仕組みではないため、しっかりと見守りながらやっていきたい。新千歳空港は国際空港に近いくらい便数がある。そのゾーンに観光リゾートをつくることで、北海道全体の周遊なども含めて苫小牧がその一端を担っていければと思う。IRは全ての市民の皆さんが理解しているわけではないので、これからも理解を求めていく。

 ―3期目の積み残しはどのように進めていくか。また4期目の公約で優先度が高いものは。

 一番重要なのは、苫小牧駅前の再開発問題。できるだけ早く市だけの判断で動かせる状態にするために、地権者との交渉に全力を挙げて取り組んでいきたい。

 4期目の公約で一番重要なものは経済。いかに税収、税外収入を増やすかに取り組んでいかなければならない。単なる企業誘致ではなく、時代に合った方法で企業誘致を捉え、税収を増やす素地を構築しなければならない。国際リゾートもそのうちの一つだ。

 ―冬の苫小牧駅前でイルミネーションやスケートリンクを設置すると公約にあったが。

 イルミネーションは実施する。スケートリンクは氷を張らなくてもできるものがある。スケートは苫小牧のシンボリックなスポーツだ。苫小牧駅を降りたところに、イルミネーションを背景に、氷ではないけれども子どもたちがそこで滑っているという光景があるのは、いいなあと思う。苫小牧駅前が少しでも明るくなるように取り組みたい。

 岩倉 博文(いわくら・ひろふみ)1950年1月15日生まれの68歳。苫小牧市出身。立教大経済学部経営学科卒。衆議院議員を経て、2006年7月苫小牧市長に初当選。趣味はアイスホッケー、ジム通い。


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