生命保険各社が保険金の請求漏れを減らす取り組みに本腰を入れているそうだ。2日付の読売新聞が伝えていた
▼改善のきっかけとなった出来事を覚えている人も少なくないだろう。高齢者が亡くなったとき、請求がないのをいいことに不払いを続け、金融庁から行政処分を受けた事件である。2005年のことだがほぼ全ての会社に、誠実さに欠け契約にも反するケースが多数あるとの実態が明るみに出たのだった。黙っていれば丸もうけ。そんな業界体質が当時、強く批判された。以来請求漏れを防ぐ方法が各種講じられてきたのである。ただ高齢化は進む一方。各社の努力にもかかわらず確認作業が難航し、適切に支払えないケースも後を絶たない
▼そんな事態を打開するため、ここらで一層顧客本位のきめ細やかなサポートを打ち出す必要があったようだ。各社HPを見ても、その辺を丁寧に説明している例が多い。ところでこの読売記事を読みながら思い浮かべていたのは、実は生保でなくNHKだった。最近、「亡くなって何年もたつ母宛に、NHKから多額の受信料の督促状が届いた」との話題がネットで物議を醸しているのを知っていたからである。これを書き込んだ人がNHKに問い合わせると、返ってきたのは複雑な手続きと冷たい対応だったという。ネットではNHKへの不満が渦巻いていた
▼ネットのことゆえ話をそのまま信じるわけにはいかない。それでも高齢者のこうしたケースが今後さらに増えるのは確実だろう。NHKも生保並みの顧客サポートをと望むのは無理なのだろうか。