熊本地震から1年

2017年04月14日 09時51分

 ある町の移住促進PR動画に「オカエリナサイが聴こえる町」というイメージソングが使われている。飾り気のない町の日常風景とともに流されるその歌はとても優しい

 ▼例えばこんな歌詞があった。家族とけんかした次の朝、暗い気持ちで階段を下りていくと、聞こえてきたのはいつもと変わらぬ元気な「おはよう」の声。そして歌はこう続くのである。「一つ一つが積み重なって 当たり前の日々が輝き始める」。実はこれ、熊本県益城町が震災の前の年に制作していた動画である。未曽有の大地震が連続して起こったあの熊本地震から、きょうでちょうど1年。動画で伝えられた、都会の便利さも自然の豊かさも人の温かさもある当たり前の日々は、まだ戻ってきていないようだ

 ▼がれきの撤去はだいぶ進み、やっと本復旧に入れるところまではきたらしい。ただ、みなし仮設とプレハブ合わせ7600人、人口3万3000人の町のおよそ4人に1人が、いまだ不自由な仮設暮らしを強いられているという。先の曲を提供したのは、シンガーソングライターの樋口了一さん。鈴井貴之、大泉洋両氏の掛け合いの面白さで人気を博した『水曜どうでしょう』(HTB)のエンディングテーマ「1/6の夢旅人」を歌っていたと言えば、お分かりになる人もいよう

 ▼樋口さんは熊本市出身。震災後は精力的に支援ライブを重ねているそうだ。そうそう、曲の中にはこんな一節もあった。「がんばれ 大丈夫 元気出して 見守っていると聞こえた町」。空耳ではない。本当に多くの人が心でそう叫んでいる。


ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • web企画
  • 古垣建設
  • オノデラ

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

おとなの養生訓 第245回 「乳糖不耐症」 原因を...
2023年01月11日 (1,443)
函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (1,259)
アルファコート、北見駅前にホテル新築 「JRイン」...
2024年04月16日 (1,173)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (1,101)
函館開建が国道5号の常盤川交差部に橋梁新設の可能性...
2024年04月17日 (783)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第258回「体温上昇と発熱」。病気による発熱と熱中症のうつ熱の見分けは困難。医師の判断を仰ぎましょう。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第34回「1日2470個のご飯粒」。食品ロスについて考えてみましょう。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第32回「読解力と認知特性」。特性に合った方法で伝えれば、コミュニケーション環境が飛躍的に向上するかもしれません。