集英社の漫画雑誌『週刊少年ジャンプ』が今回の2018年33号で50周年を迎えたという。子ども時代を共に過ごしてきた人も多いのではないか
▼当初からの読者なら永井豪さんの『ハレンチ学園』や、とりいかずよしさんの『トイレット博士』を懐かしく思い出すに違いない。当方も自分では買えなかったため、年上の友人に借り親の目を盗んで読んでいた。今ならとても発行できない内容である。だが面白かった。68年の創刊以来、人気作は引きも切らず。『こちら葛飾区亀有公園前派出所』、『北斗の拳』、『ドラゴンボール』、『スラムダンク』、『ワンピース』―。漫画史に残る名作も枚挙にいとまがない。そこで描かれるのは勇気、冒険、仲間、笑いといった少年たちの尽きせぬ願い、変わらぬ夢である
▼発行部数は95年3・4合併号で最多653万部に上りギネス記録にも載ったという。現在は約180万部だがそれでも同種雑誌の中では断トツである。それにしてもなぜこれほど読まれているのか。実は毎週愛読しているためその理由は見当がつく。一番は新しい才能の発掘である。これほどの雑誌に今でも毎週、ほぼ無名の作家の作品が載る。優れたものばかりでないがあえてリスクをとり、挑戦と成長の場を用意しているのだ
▼本道はことし命名150年。『ジャンプ』よりかなり先輩になるが、新しい才能を発掘し自ら変化を起こす気概は十分だろうか。14日から記念行事が集中する「北海道150年ウイーク」も始まった。浮かれるだけでなく50周年の後輩に学ぶべきところは学びたい。