2018年上半期(1―6月)に札幌市内で発売された分譲マンションは921戸で、前年同期を30.6%上回ったことが住宅流通研究所の調査で分かった。成約戸数は948戸で26.4%の増加。これまで旺盛だった中央区での発売が、価格上昇や建設適地の少なさを背景に鈍化する一方で、東区や西区、豊平区といった都心から離れたエリアでの供給が増え、全体を押し上げた。
月別の発売戸数は1月172戸、2月72戸、3月119戸、4月99戸、5月318戸、6月141戸で、3月以外は前年同月を上回った。円山、大通エリアをはじめとする中央区の売り出しが減る一方で、値ごろ感のある物件が郊外で出始め、需要喚起につながっている。
分譲中物件の平均価格(6月時点)は3977万円で、0.02%の下落。区別に見ると、中央区が4512万円で最も高く、北区が4145万円、東区が3651万円と続く。
6月単月では、新規発売が141戸で、前年同月を27%上回った。成約は51.4%増の159戸。豊平区でのミサワホーム北海道の「アルビオガーデン豊平」は、全112戸のうち1期50戸を売り出し、38戸を成約した。約80m²の専用面積で平均価格3400万円という設定が注目を集めた。
道内進出第1弾となったタカラレーベンの「レーベン環状通東」1期は、市営地下鉄東豊線環状通東駅そばで利便性が高いこともあり、発売した15戸全て成約している。
在庫は前月比4%減の430戸。うち完成在庫は39.8%に当たる171戸となった。大量供給のあった5月市場で在庫が448戸に増えたものの、6月の売れ行きが堅調だったため、再び減少した。