近頃、小学生の間で大流行しているものの一つに、『うんこ漢字ドリル』(文響社)なるものがあると知り手に取ってみた
▼もし朝食時に小欄を読んでいるのであれば、心の準備をしておいていただければ幸いである。書名だけ見て不真面目な内容かと思ったら、これが大間違い。言うと子どもたちが無条件に喜ぶ「うんこ」という言葉を全例文に使い、漢字の読み書きを楽しく学べるよう工夫したドリルなのである。何はともあれ、6年生版の例文を幾つか紹介したい。かっこ内が問題である。実際には回答欄も全て「うんこ」の形をしている。まずは読み問題。「自(己)しょうかい代わりにうんこをさせていただきます」「父の会社に、急いでうんこを(届)ける」
▼読者のため息が聞こえそうだが次に書き問題。「(ぜん)悪はさておいて、うんこが出てしまった」「きょ大なうんこを運ぶため、トンネルの(かく)張工事をする」。まさに型破りである。ただこれなら確かに難しい漢字も覚えられそうだ。文響社は「笑顔で机に向かう子どもたちが増えてほしい」との願いを込めてこのドリルを作ったという。子どもたちは熱狂的に支持し、発行から2カ月でシリーズ累計180万部の大ヒット。低迷著しい出版業界には干天の慈雨となった
▼やはり支持率低迷著しい民進党も、ドリルに学ぶところ大かもしれない。最近は森友、加計、便宜、忖度(そんたく)とこちらもいろいろ漢字を並べて政権攻撃の大ヒットを狙っているが空振り続き。「うん」も大切だが何より国民の心をつかむ工夫がいる。