事業費最大1100億円 都心アクセス道路、開発局が新案

2018年08月01日 10時30分

 北海道開発局は7月31日、社会資本整備審議会道路分科会北海道地方小委員会を開き、国道5号創成川通(札幌都心アクセス道路)について4つの構造案を示した。道、札幌市とともに検討してきた地下トンネル、高架、現道活用案に加え、地下トンネルを基本として札幌新道との接続部で支障物を回避するために下り線の一部を高架化する上下線分離構造案を提示(=図参照)。分離構造案は事業費最大1100億円で、高架やトンネルのみの案より低コストなのが特長だ。

 対象ルートは高速道路の札幌北ICがある北34条付近から北3条付近までの約4㌔で、北37条での石狩街道との接続を含めて総延長5㌔を計画。創成川通は北34条から北13条までが幅員40mの6車線、北13条から南5条までが幅員56mの8車線道路となっている。

 現道活用以外の構造物新設3案はいずれも、既存の創成トンネルとの接続を想定し、北6条の新幹線・JR在来線高架など地上の構造物を回避するため都心部は地下構造を採用したい考えだ。

 札幌新道の千歳方面から札幌北ICで降りる車両の渋滞対策を目的に、同道上り線から直接乗り入れできる降り口(ダイレクトアクセス)を確保するほか、北8条付近で地下トンネルから現道への出入り口を設け、札幌駅へのアクセス向上を図る点でも構造物新設の3案は共通している。

 全線地下トンネルで整備する案は冬季の定時性確保に最も効果が高く、札幌新道からランプウェイを地下に引き込む。一方で高速道路接続部の幅員が広がり、近隣病院や公園の移転が必要になることから、整備費は1200億―1400億円と4案の中で最も高額だ。

 一部高架整備案は北37条から北13条まで上下線に高架橋を整備し、北13条から北3条までは地下化して創成トンネルにつなぐ。札幌新道とは高架上で接続するが、こちらも病院の移転が必要になり、整備費は1050億―1250億円に膨らむ。

■地下一部高架は低コスト

 支障物件を踏まえて考案されたのが上下線の分離構造案だ。基本は上下線ともに地下トンネルで整備するが、札幌都心に向かう下り線のみ北37条から北18条付近まで高架とするもので、高速道路との接続部で周辺の民間敷地に影響しない。

 計画的に整備を進めやすく新幹線の札幌開業効果の取り入れと発現を見込めるほか、物件補償や移転がないため900億―1100億円と別線整備案では最も経済性が高い。地下と一部高架は支障物件の建て替えなどに時間を要するとみられ、新幹線札幌開業に間に合うかは不透明なところもデメリットになる。

 現道活用案は河川断面上に右折レーンを設けるもので、整備費は85億―170億円と最も低コストだが、高速道路付近の渋滞回避は難しく、冬季交通の定時性確保などの整備効果は最も低い。

 開発局は秋にも第1回のアンケートを行い住民意見の把握に努めるほか、より詳細な構造の検討を進めていく考え。田村亨委員長は「フレーム全体については委員の合意を得られた。内容をできるだけ分かりやすく伝えることに時間を割いて」と大枠で提案を承認し、緑地や親水空間形成の考え方、防災上の重要性を明白にすることも求めた。

 同日、秋元克広札幌市長は定例会見で「アクセス改善は観光、集客交流の向上に重要な要素」と強調。「国の事業で具体的検討に入り、かなり前進したと認識している」と話した上で、事業化検討の推移を注視しながら、市民に「最少経費で最大効果が得られるよう丁寧に説明していきたい」との考えを示した。


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