航空機での北方墓参

2017年06月21日 09時29分

 きょうは1年で最も日の長い夏至である。札幌で日の出が午前3時55分、入りが午後7時18分、根室は少し日の出が早く午前3時37分、入りが午後7時2分だという

 ▼毎年思うことだが、仕事が終わってもまだ外が明るいと、時間を余計もらっているようで不思議と豊かな気持ちになる。同じ思いの人も案外多いのでないか。欧州では夏至のころに妖精が騒ぎ出すとの言い伝えもあるそうだ。心が妙に騒ぐからだろう。日本は縦に長い列島ゆえ、夏至とはいえ本道ではやっと夏の入り口に差し掛かったところ。日の長さとともに新緑の爽やかさを楽しめるのは本道ならではのぜいたくである。ところが残念ながら夏の名物は爽やかさばかりではない。釧路根室地方の海霧もそうである

 ▼今回はその霧が行く手に立ちはだかった。航空機による初の北方領土墓参が濃霧のため延期を余儀なくされたのである。元島民らは18、19の両日、霧が晴れるのを願いながら待ち続けたものの、とうとう天候回復はかなわなかった。本道の太平洋側は夏に高気圧から暖かく湿った空気が流れ込むため海霧が発生しやすい。特に6月から8月にかけては月の半分が霧である。筆者も釧路勤務のころ、この時期の霧には随分悩まされた

 ▼関係者も分かっていたろうに他に日程は組めなかったのか。例えば秋以降なら晴天も続く。元島民の皆さんはまさに一跳びで故郷の土を踏めると期待していたに違いない。さぞ無念だろう。根室の夜明けが早くても霧が明けねば航空機は飛べぬ。妖精がいれば霧を吹き飛ばしてもらいたかった。


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