「全国安全週間」がきょう1日から始まる。ことしで90回目を迎えるそうだ。人命尊重の理念の下に安全意識の高揚を図ってきた息の長い取り組みだが、この活動が着実に日本の安全レベルを引き上げてきたことは間違いない
▼本紙もこれに呼応して毎年、〈建設安全標語コンクール〉を実施。微力ながら建設産業界の安全職場実現を手伝ってきた。「見逃すな 見慣れた場所に 潜む危険」が本年度最優秀作である。36回目のことし、本紙コンクールには233点の応募があった。安全意識の高さの表れだろう。入選しなかった作品の中にも優れた標語はたくさんある。幾つか紹介したい
▼「目視 指差し こころざし 安全職場の第一歩」。安全行動を駆動する燃料は絶対に事故を起こさないとの決意だと気付かせてくれる。「おかしいな 思った時にすぐ改善 異常の放置は危険の放置」。人の命に関わると思えば後回しになどできないはず。「聞こえたか 命を守るロック音」。常に現場に響かせてほしい。「いつもこの道通る道 馴れてる道こそ安全運転」。きょうは何事もなくとも、あすは子どもが飛び出してくるかもしれない。「安全は 人にたよるな!まかせるな! 点検管理は自分から」。懸かっているのが自分と仲間の命だと知れば、横着はしていられない
▼「溜めないで! 疲れとストレス事故の元」。ためていいのはお金と信用。それには心も体も健康でないと。さて、個別の注意喚起も重要だが、こんな大きな見方も忘れないで。「気を抜くな 『ただいま』言うまで 作業中」。