開発局 平取ダムなど計画変更 新桂沢に地滑り対策追加

2018年08月08日 13時00分

 北海道開発局は、施工や設計が進む平取ダム、新桂沢ダム、三笠ぽんべつダムの基本計画を変更する方針だ。平取ダムは工期を2年延長の2021年度とし、事業費を97億円増の約1410億円に増額、新桂沢・三笠ぽんべつダムは3年延長の23年度、228億円増の約1150億円に修正する見込み。平取ダムは災害復旧、三笠ぽんべつダムは地質状況への対応で工期を延長。事業費増は資材価格、労務単価の上昇が主な要因だが、新桂沢ダムでは地滑り対策を11カ所で追加するもようだ。

 7日に開かれた道議会建設常任委員会で道建設部の天野俊哉土木局長が直轄ダムの基本計画変更に向けた地域意見照会を受けたと報告した。

 沙流川総合開発事業の二風谷ダム・平取ダム建設基本計画によると、堤体建設中の平取ダム(重力式コンクリートダム、堤高56・5m)は19年度完成を予定していた。しかし16年8月の台風による出水で工事用道路や砂利採取地が被災し、復旧に時間を要したほか、工事手順を見直す必要もあったため完成時期を2年先延ばしにした。

 事業費に関しては放水路の警報設備など設備計画の見直しでコスト縮減を図ったものの、物価変動のほか、災害復旧や地中連続壁の深さ変更などの影響もあり1313億円から1410億円に引き上げた。

 また、基礎につながる岩盤が想定よりも浅い層にあったため基礎地盤線を引き上げる代わりに堤高を1・5m下げて55mとした。実質的な高さは変わらないため、貯水量に変化はない。

 幾春別川総合開発の新桂沢ダム・三笠ぽんべつダム建設基本計画に位置付けられている三笠ぽんべつダム(台形CSGダム、堤高53m)は本体未着工だが、基礎となる強固な岩盤層が想定より深いことが着工前の調査で判明。修正設計に時間を要したため、当初の20年度から23年度に完成時期を延長した。

 堤体建設中の新桂沢ダム(重力式コンクリートダム、堤高75・5m)はダム湖周辺の崖地で地滑り対策を進めているが、16年8月台風による豪雨なども踏まえた新たな観測結果から新たに11カ所で追加対策が必要と判断。物価上昇にこうした対策も加味し2ダムの総事業費を922億円から1150億円に増額した。

 計画変更の照会を受けた道では知事意見案をまとめ、早ければ9月の第3回定例道議会に諮る方針。その後、意見を国土交通大臣に答申し、計画変更が承認される見通しだ。


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