自覚症状が全くなく健康に自信があっても、ある程度の年齢になるとやはり人間ドックの結果は気になるものではないか。自分は大丈夫と思っていても、診断結果の通知を開いて「要観察」の文字が見えたりすると妙にドキリとしたりして。あれは本当に心臓に悪い
▼判定の細目を見ると「γ―GTP」だの「尿酸」だの「クレアチニン」だの。意味はよく理解できないものの、どうやら多過ぎるのは良くないらしい。サラリーマン川柳(第一生命)にこんな作品があった。「成人病かかった社員が解説者」(耳にタコ)。楽しからぬ病気の話なのになぜか話に花が咲く。ドックの時期によくある光景だろう。いずれにせよ検査項目は一定の範囲に収まっているのが望ましい。「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」である
▼ドックでないが最近多過ぎるこちらも何か異変の兆候だろうか。台風のことである。今月はあと10日間ほど残して既に8個も発生。中でも12日から16日にかけては毎日というハイペースである。8月は一年で台風が最も多いとはいえ、平年値は5・9個だからこのままでは何個になるやら。7月までも平年値7・7個に対し12個が発生していた。大きな逸脱。地球ドックでもあれば「要観察」の所見が付いたに違いない
▼日本の南海上で高水温が続いていることが直接の原因だという。ただ、裏には地球温暖化の大病が潜んでいるのかもしれぬ。ことしは西日本はじめ日本中が豪雨に悩まされている。台風は止められないが、被害を最小限にするため数字が示す異常な現状は忘れずにいたい。