2020年度の日本ジオパーク認定を目指して活動してきた上川中部地域ジオパーク構想準備会は21日、新たに市民、事業者団体を加え、大雪山カムイミンタラジオパーク構想推進協議会を設立した。同日開かれた設立総会では、ジオパーク内の特徴的な地形や地質が存在するジオサイトの調査、ジオパークの普及促進などに取り組んでいくことを確認した。
ジオパークとは、貴重な自然景観や特徴的な地形地質(ジオサイト)を有し、地域の地質的な成り立ちやそこで暮らす人たちの文化を学ぶことができる自然公園。日本では43地域が認定を受けており、道内からは白滝、三笠、とかち鹿追、洞爺湖有珠山、アポイ岳の5地域が選ばれている。
協議会の構成員は旭川市、東神楽町、愛別町、東川町、鷹栖町、比布町、上川町の1市6町をはじめ、あさひかわジオパークの会などの市民団体と、旭川観光コンベンション協会といった事業者団体を合わせた14団体で構成。上川総合局や旭川開建などの行政機関や学術・教育機関など24団体がオブザーバーとして参加する。会長には西川将人旭川市長が就いた。
総会では、ジオサイトの調査研究と選定を進める保全分野、学校教育で活用する副読本の作成や体験講座などを検討する教育分野、ジオパークの情報発信を行う普及分野、ジオツアー商品の開発とPRを担当する観光分野、行政的な課題に対応する行政分野―の5つのワーキンググループを発足させ、具体的な検討を進めていくことを決めた。
18年度事業計画も審議し、日本のジオパークを紹介したポスター展を旭川市内と周辺町で開催することや、三笠市の三笠ジオパーク視察などを盛り込んだ。
会長に就任した西川市長は「正式なジオパーク認定に向け、より多くのメンバーに参加してもらうことが大切」と協議会発足の意図を説明し、「しっかり認定されるよう皆さんと一緒に頑張っていきたい」と抱負を述べた。