桁座拡幅など中旬着工 JR日高線厚真川橋の復旧概要

2018年10月04日 07時00分

 JR北海道は、北海道胆振東部地震で桁にずれが生じた日高線厚真川橋梁の復旧概要をまとめた。ずれが大きかった橋脚のうち、P4とP13の桁を据え直した後、落橋リスクを低減するため、桁座を拡幅する計画。河川協議を経て10月中旬にも着工する予定だ。運転再開は12月上旬を見込んでいる。復旧費用には、周辺エリアで被災した軌道変位などの修繕を含め、1億円弱を試算する。

 3日に開いた記者会見で、鉄道事業本部の島村昭志工務部長が復旧状況を説明した。

 現地調査を担った鉄道総合技術研究所の報告によると、P4とP13上の桁が大きくずれた要因に、鉄筋コンクリート桁と鋼桁の境界に位置していて、ずれが生じやすいことを挙げた。このため、桁を元の位置に戻した後、P4とP13の桁座幅を左右に27cmずつ拡幅するよう提案した。

 同様にP3上の桁も2カ所でずれが見つかったが、2―3cmと軽微で運行に支障がないことから修繕はしない。このほか、支承や桁、橋脚の地表部で列車走行に問題が生じるような損傷は見つからなかった。

 道と河川協議などを経て、2週間以内に工事を発注する見通し。10月中旬から1カ月程度かけて桁座拡幅をした上で、油圧ジャッキで桁を移動する予定だ。

 災害復旧補助の活用を検討。今後、国や道と協議する。採択されれば、JR北海道が復旧費の2分の1、国と道がそれぞれ4分の1を負担する。

 厚真川橋梁は、日高線の勇払―浜厚真間で1956年2月に竣工した。橋長は255・3m。鉄筋コンクリート桁と鋼桁の15径間で構成する。

 9月6日の地震で、14基ある橋脚のうちP3とP4、P13上の桁で上流側に2―27cmのずれが見つかった。このため、苫小牧―鵡川間の運行を見合わせている。


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