ことしは毎日、台風のニュースばかり聞いていた気がする。同時に幾つも発生したり、日本列島を通り過ぎてやれやれと思ったらすぐ次のが現れたり。息つく暇もない
▼それもそのはず。気象庁によると日本に接近した数は5日現在で去年の8個に対し既に14個に上っている。しかもしばしば最高レベルの強さを持つ「猛烈な」台風ときた。強風や大雨、高潮を伴ってくるため、年がら年中警戒が必要とされたわけだ。台風は北太平洋東部や大西洋で発生するとハリケーンに名を変える。物騒な話で恐縮だが、大きなハリケーンが1日に生みだすエネルギーは20メガトン級水爆400個分に相当するという。これは全世界の核兵器を全て合計した破壊力を上回る。科学書に教えられた
▼ちなみに地震はマグニチュード(M)8で6メガトン級爆弾と同じエネルギーらしい。きのうも余震には驚かされたが先月の胆振東部地震でM6・7。単純に比較できないものの、それでも台風の持つ破壊力のすさまじさは分かる。道理で人間の手には負えない。振り返ると7号と梅雨前線によって引き起こされた水害や土砂崩壊で、200人以上が亡くなった7月の西日本豪雨が今期の台風災害の始まりだった
▼8月には連続7個の台風が日本各地を傷だらけにし、9月には21号の強風で流されたタンカーが関西国際空港の連絡橋に突っ込んだ。こと台風に関しては散々な年というほかない。そしてあす、25号が暴風を引き連れて本道に最接近する。年がら年中の警戒にそろそろ疲れていようが、どうかまだ油断はされぬよう。